骨・軟部腫瘍について

骨・軟部腫瘍画像

腫瘍は全身の様々な組織に生じますが、整形外科では主に骨腫瘍と軟部腫瘍の診断・治療を行います。あまり耳慣れない方もいらっしゃると思いますが、骨や筋肉、皮下組織、神経などにも腫瘍ができることがあります。多くは良性腫瘍や非腫瘍性病変なのですが、ときおり悪性腫瘍のケースがあるので注意が必要です。全国の症例数としても少ないので希少がんといわれています。悪性腫瘍(がん)というと、中高齢になってから罹患することが多いですが、骨肉腫やEwing肉腫のように若年者に好発するものもあります。当院では骨・軟部腫瘍の診療も積極的に手掛けておりますので、まずはご相談ください。

このような方はご受診ください

  • 皮膚にしこり(腫瘤)ができた
  • 腫瘤を触ってみると違和感がある
  • 腫瘤が徐々に大きくなってきた
  • 腫瘤の辺りに痛みがある
  • おできのようなものから膿が出てきた など

骨腫瘍とは

骨に生じる良性腫瘍の多くは特に目立った症状がなく、積極的な治療を行なわずに経過観察します。ただし、病的骨折を繰り返していたり、痛みが日常生活に支障をきたしていたりする場合には、外科手術などを検討します。
なお、骨に生じる悪性腫瘍では転移性の骨腫瘍であるケースが多いです。これは様々な臓器に出来る悪性腫瘍がきっかけとなり、骨への転移を生じます。この場合、原発巣の専門医による集学的治療が進められますが、骨の問題によって日常生活に大きな支障をきたしているようなときは、整形外科の専門医も治療に介入いたします。なお、骨の痛みなどを訴えた患者様が整形外科を受診し、様々な検査を行ったところ、原発巣のがんが見つかることもあります。

軟部腫瘍とは

当院では、軟部に出来る良性腫瘍についても、基本的には経過観察で対応いたします。ただし、悪性腫瘍が疑われるときには画像検査を行い、治療の必要性を慎重に見極めていきます。腫瘍のサイズが大きいもの、深部に及んでいるものなどは特に注意を要します。病理組織診断によって悪性腫瘍の診断が下されたときは、周辺の正常組織も含めて広範囲な切除が必要となります。なお、良性のように考えられる軟部腫瘍であっても、その診断・治療にあたっては、患者様の将来も見越して慎重に対応しなければならないケースがあります。当院では、こうした点にも配慮して診療いたします。